渡辺美里/ribbon(1988年)

邦楽

・渡辺美里 4枚目のオリジナルアルバム

・オリコン1位を獲得。自身初のミリオンセールスを記録。(1988年年間チャート3位)

・発売から30年を記念して2018年に30周年記念盤もリリースされています(88年版の楽曲に未収録楽曲3曲「君の弱さ」「Half Moon」「New Boyfriend」を追加した豪華盤)

「戦後最大のポップアルバム」というキャッチフレーズの通り、今までの3枚のアルバム「eyes」「Lonin’You」「BREATH」などと比べるとかなりポップになった印象。

校則でガチガチに縛られていた高校生が、春になって大学生や社会人になり自由度が増して、のびのびとしているような、何かから解放されたような軽やかな感じ

アーティストはデビュー3年目くらいでベストアルバムを出すことが多いのですが、渡辺美里スタッフも当初はベストアルバムをリリースする予定だったようです。

ribbonリリース時(1988年5月)にはリリースしていたシングル曲も10曲あり、その中には「BELIEVE」「I’m free」といったアルバム未収録シングルもあったので、シングルコレクション的なベストアルバムのリリースはありといえばありだったのですが、「BELIEVE」「悲しいね」「恋したっていいじゃない」の3曲のシングル収録のオリジナルアルバムのリリースに変更しました。

「センチメンタルカンガルー」「10years」がアルバムリリース後にシングルカットされ、「ribbon」には5曲のシングル表題曲が収録され、結果としてハーフベスト的なアルバムと仕上がっています。

また、シングル曲以外の完成度も非常に高く、当時の勢いあるソニー系アーティストが楽曲作成参加しており(小室哲哉・岡村靖之・大江千里・伊秩弘将・木根尚登)。ソニーの本気を垣間見れる作品となっています。

リリース当時中学1年生だった私は行動範囲が広がり(通学で使う自転車を購入してもらったので、遠距離でも自転車で行けるようになった)、10キロ以上離れたレンタルCD屋さんでこのCDを借り、カセットに録音して毎日聞いてました。ほんとカセットテープが伸びるほど聞いてました。

このアルバムを聴くと中学生になって、少しだけど大人になったような気がしていた1988年の初夏を思い出します。

センチメンタル カンガルー

アルバム1曲目。

当時、UCC缶コーヒーのCMタイアップもあり、かなりのTVスポット流れてがいました。

缶コーヒーと「カン・ガール」をかけていたんですね。(かかっているのかどうかはわかりませんが)

アルバムリリースから2か月後にシングルカットされて、オリコン9位を記録しています。

カップリング曲もアルバム収録されている(「ぼくでなくっちゃ」)ので、アルバムを持っているライト層は購入しないと思うので、コアファンだけで週間チャートベストイン入りってすごいです。

当時の美里ファンのボリュームの多さを物語ります。

恋したっていいいじゃない

1988年4月リリース。オリコンチャート最高2位。アルバムのリードシングルとしてしっかりと結果を残した楽曲です。この曲もUCC缶コーヒーのCMタイアップ。

若干早口になるような曲の感じ、D・A・T・Eという歌詞から岡村靖幸氏の作品っぽいんですど、こちらは作詞が美里さん作曲は伊秩氏(のちに沖縄出身アイドルSPEEDなどのプロデュースで活躍)の作品です。

かなりPOPな仕上がりでアルバム前半の顔って感じの楽曲です。

さくらの花の咲くころに

アルバム3曲目。シングルではないが、1995年リリースの最初のベストアルバム「She Loves You」には収録された人気曲。

前曲の「恋したっていいじゃない」から一転しっとりとした楽曲。ノスタルジックな思いに浸ることができます。中学1年生の私には歌詞のような思いではなかったのですが、なんとなく切なくなるそんな名曲

木根尚登氏作曲の作品。

BELIEVE

アルバムに4曲目に収録。

「BELIEVE」は渡辺美里7枚目のシングル曲。3枚目のアルバム「BREATH」の発売前にリリースされていましたが、アルバムの制作コンセプトの都合上、今回4枚目の「ribbon」に収録されました。

小室哲哉さん作曲になり、全体的に冬の朝の凛とした空気感が伝わる楽曲となっています。

そしてイントロとアウトロが印象的。すごくシンプル、あっさりとしているんですけども、その潔さがまた凛とした空気感を醸し出しています。

名曲。

シャララ

アルバム5曲目。岡村靖幸作曲。作詞は渡辺美里

サビの「一番早いランナー勝つとは限らないよ」が印象的

当時はこの曲にすごく励まされました。

彼女の彼

アルバム7曲目。

好きな人が別の人とお付き合いする前に恋人のふりをしてデートするという切ないシチュエーションの楽曲。8月、ダッシュボード、歩幅などのワードも印象的。

個人的も大好きな楽曲で渡辺美里のマイベストを作るときには必ず選曲していました。

悲しいね

アルバム10曲目に収録。

渡辺美里9枚目のシングルとして1987年12月にリリース

オリコン最高2位(彼女のシングルはなぜか最高位2位が多く(8曲)。1位は意外にも2曲のみ(My Revolution、虹をみたかい)。まあ、アルバムは1位が9作品あるので、アルバムで聴きたいという人が多かったようですね。

個人的にはこの曲は「BELIEVE」とセットという印象です

両方とも小室哲哉氏の作曲作品で切なげなメロディーが最高なんですけれども

歌詞がBELIEVEの「朝一番のホームの冷えた静けさが好きさ」と悲しいねの「まつ毛の先そっと 街の灯りともるよ」という朝と夜の対比がそう思わせるのでしょうか。

10years

アルバム11曲目の最後を飾る楽曲

アルバム発売後に12枚目のシングル「君の弱さ/10years」でシングルカット。オリコン最高4位

またまた、こちらもUCC缶コーヒーのCMソング(というかこの時のUCCとのタイアップ量半端ない)

「あれから10年もこの先10年も」の歌詞を聴いた時には10年って長い時間軸と思っていましたが、40代を超えてくると10年ってあっという間ですよね。この曲も35年近く前の楽曲ですもん。

作曲は大江千里氏。大江さんの曲って上品というか、繊細というか…なんか好きです。

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